心理検査について③

◯所見を書く

・検査を終えて

 ・検査の数値化・コーディングを行って整理する。

 ・次回の面接までに所見を書く

 

・所見を書く時の注意

 ・来談している主訴、受験の動機を明確にする。

 ・数値から分かることだけでなく、観察時の臨床イメージが沸く記述をする。

 ・数値から分かるプロフィールだけでは、誰もが同じプロフィールになってしまう。

 ・検査所見は数値から分かること+個人の臨床像+個人の困り感=その人にあった所見となる

 

・FB

 ・検査報告書をそのまま渡すようなことはしない。

 ・主訴、受験の動機に沿ったFBを作成する。

 ・本人の知的水準や、特性の偏りに沿って、本人が理解しやすいFB資料を作成する。

心理検査について②

◯テストバッテリーについて

・テストバッテリーの目的

 ・1つの検査では測定できる範囲は限られているため、複数の心理検査を用いて、Cl.のパーソナリティを多面的に理解するため。

・種類と注意

 ・基本的に2,3種類が一般的とされている。

 ・数が多いだけの実施は、被験者にかかる負担や侵襲性の問題がある。

 ・テストを行う順番も関係するため、被験者の特性や受験態度を、予め理解しておく必要がある。

 ・検査に対するすべての負担を取り除くことはできないので、最小限に留めつつ、避ける事ができないストレスに対する反応も大きな情報となる。

 

→なにより大切なのは、実施している検査や検査項目が、何を測定しているのかをしっかり把握していることである。理論や基礎を考慮しながら検査を行うことで、質問段階や行動観察のムダを省き、被験者の負担を減らし、有意義な観察所見を描くことが出来る。

心理検査について

◯心理査定の目的

 臨床心理士が行い、Cl.の問題や性格、置かれている状況について、理解し、解釈を行い、仮説をたてるプロセスを心理査定という。「診断」は、基準に則って特徴を把握しようとするのに対して、「査定」は独自性・個別性のある特徴や問題、肯定的な側面を含めて総合的に把握することにある。

 

◯心理査定の種類

 ・観察法

 ・面接法

 ・検査法(性格検査:質問紙法、投影法、作業検査法。

      能力検査:知能検査、発達検査、神経心理学検査、適正検査)

 

◯性格検査の種類

・質問紙法:

 メリット:実施が簡単・集団実施可能・短時間で済む

 デメリット:反応歪曲・表層的しか査定できない・結果のみの判断になる

 種類:YG性格検査、エゴグラム、MMPI、MAS、STAI、SDS、GHQなど

 

・投影法:

 メリット:無意識的な態度や人格を捉えられる、作為反応が生じにくい

 デメリット:信頼性と妥当性を測ることが難しい、解釈に主観が混じりやすい

 種類:ロールシャッハテスト、TAT、SCT、PFスタディ、ソンディテスト、バウムテスト、HTP、風景構成法

 

 

 

 

第2章 こころに出会うこと―聴くことの目的

・こころに出会う・触れることの難しさ

 傾聴の目的:Cl.のこころに出会う・触れること

 共感と受容もこころに出会ってはじめて発揮されるもの

 親しみのない知的な聴き方では、こころに出会うことは達成されない

 

・知的な認知、知的な理解という「かのような理解」

 面接の目的は語られる内容の正確な理解が第1でない!

ーこころの臨床では、Cl.の「思い」を聴くことが重要である!

 思いとは、感情・フィーリング、思考、空想が合成されている。

⇒こころを理解するにはまずその思いに出会う、触れることから始まる。私たちが触れていること・どんなものかを味わっていることを自覚していることが必要。

 

 故に、こころを理解した気でいて、知的な作業で名前(ラベリング)を付けることでは決して無い。(アスペルガーのように)

 知的な理解はかえってこころの真の理解から遠ざかり、ラポールが築かれていない限り、嫌悪感の感情に染められてしまう。

 

・「かのような理解」とは

 ・知的理解で進めようとすること。

 ・マニュアル化した(公的な)対応

 

・私たちの感情や思いを生かす

 こころに出会える聴き方:Cl.の思い、感情を私たちのこころに入れ、併せてそこに、私たち自身の感情、思いを漂わせて使用する姿勢

⇒話を聴き、整理するという(知的)機械的作業から、こころが交わる生きた機能的なものになる。

 そこで現れるネガティブな感情(逆転移)も飼い慣らすことが必要

 

・2つの聴き方

 ・能動的に聴く姿勢(共感する)=支持的心理療法

 ・受身的に聴き、完治する姿勢(投影する)=精神分析敵リスニング

第1章 こころの臨床の基本―共感と受容

○共感とは。受容とは。

 臨床家にとってClのこころに共感し、受容することは、不可欠であり、協働をするものとして成立するための基本条件。

 

 ・ただ黙って話を聴くこと?

 たしかにスタートとしては、そこから始めてもいいかもしれない。できるだけ黙って口を挟まず、相手の語ることにひたすら耳を傾け、語られる内容と思いに同意する。

 しかし、それだけでは通じない例もある。

 ex)患者の話が途切れなかったり、極端な見解や異常を持っている場合は、Th側に相当な負担がかかることも。アドバイスがほしいと憤慨する患者も。

 

 ・憤慨する患者

 これまで傾聴を通してきた患者に伝えた退院宣告。

患者は憤慨し、怒りをThにぶつけるも、Thはそれさえも黙って聴いていた。

「一方的な思い込みや誤解を指摘することは、反ー共感的になってしまうのではないか」

―傾聴とは、受容とは、共感とは大変なものだ。

 

 ・まる飲みしていることへの気づき

 患者の言葉をただ丸呑みにすることはThに大きな負担がある。

 つながりを持とうとしない、つながりを拒絶する患者との間には、傾聴だけでは共感と受容は成り立たない。

 

 ・聴くことのむずかしさ

 聴いているだけでは、Clが主訴となる話題に展開しない(はぐらかし続ける場合)にはいつまでも情報が入ってこない。(結果的に焦り、警察の尋問みたいになってしまう可能性も)

 一生懸命聴くとは?

 「共感と受容は大変重要。共感と受容に関する項目は、Clに向けた質問リストに載っているので、そのリストに則って順次訊くとクリアできる」

 質問リストを読んで尋ねることと、私たちが傾聴しつつこころに触れながら発する問いとは、まったく異なるものである。

 

 ・ケース例

 真摯に傾聴していたら、突然性愛的になったり、妄想が生じたり。

⇒真摯に聞いてくれるThに対し、Clがそこに興味を持っているのか知りたくなって、ヒステリカルな方法で侵襲してきた例。

 強力なフィーリングを感じ、退行を起こしており、聴き方が真摯でも、その聴き方からは何も理解が生まれなかった例。

 

「耳の傾け方」こころの臨床家を目指す人たちへ

行動や振る舞い、知覚や思考、感情はこころから派生しているもので、その行動や思考、情緒やフィーリング(感じ)をその人の主体的な思いに収斂していくことがこころを理解するということ。 

 
私たちは話し手ではなく、まず聴き手なのである。耳を傾けること。 
変化や誰にでも出来ると思われている聞く+αを求められているため、聴くことより行動での解消を企てやすい。 
行動での解消は聴くの上位互換 
 
聴く際に、ただ一心不乱に聴くのでは余裕が無いに等しい。集中することは他を削ぎ落とすこと。 
 
まずは訓練を受けること。要所を少しずつ身につけ、時間をかけた細心と根気が求められる。SVなど。 
 
また、聴くスキルはCl.も教えてくれている。Cl.も聴き方の質や水準がどのような状態なのかを教えてくれる。関心の向け方や、反応によって、である。 
 
また、ただ聴くだけではいけない。深い聴き方、つまり、文字通り受け取る表面的な聴き方に留まらず、Cl.のこころの直には表れていなところ、時としてCl.も気付かない潜在的な想いに行き届き、それに触れる聴き方が必要。それこそが、本当に援助されたと感じる瞬間である。

将来の社会的自立に向けて。

・「進路の問題」
不登校は心の問題でありながら、進路の問題でもある。不登校の子どもたちが1人1人個性を活かし社会へと参加しつつ充実した人生を過ごしていくための道筋を築いていく活動、生き方支援である(森田2003)

しかし、自分で動けるようになるには心の元気を回復させる、つまり心の問題も同時に大きな要素である。
自分の大きな問題が解決しないために、将来への不安や自信のなさという心の問題が消えないというケースもあり、心と進路は同時に考え対応していかなければならないテーマ。

不登校調査から。
不登校経験者の中学卒業後5年間を見ると、人とのつながりや学校という場への一旦つながりを持てば、その人はその後の生活でも社会と接点を保ち、社会的な場での自分なりの一を持ち続けていける、「正の連鎖」の確立が極めて大きいとのこと(森田2003)
不登校への対応については、生徒の気持ちに寄り添いながら、社会的な場や人との出会い方、繋がり方をうまく形成できるよう支援していくことが大切。

社会的自立。学校や就職といった特定の場への帰属を意味するのではない。学校に行かなくてもいいと、言い放つことは[行かない生き方を背負うには勇気も必要で]無責任である。
リスクを受け止めて生きていけるだけの勇気と力、サポートを与えてくれる人が必要なのである。
⇒子どもの生きていく力とそれを支える環境(人的環境も含め)総合的にしっかり見極めつつ、最終的自立へ向けて根気扶翼新していくこと。

・連携ネットワークによる支援
不登校の多様化。学校や教育行政機関、NPO等との積極的な連携、協力が重視された。

専門機関との連携には、守秘義務が障害となることもある。それぞれが持っている情報を開示するには不安を伴う。
それを解消するためにも、ネットワークのなあkで、日常的に連絡を取り合い、秘密を守る枠を広げておく必要がある。
待つだけではなく、自分の足で出向き、顔と顔を合わせた中での関係作りへの努力が必要。